Stripe Box

  

3Dプリントで製作したストライプ状のボックスです。表面に設けたストライプは、触れたときの特徴的な感触を生み出すと同時に、造形そのものに独特の表情を与えています。このストライプには、見た目や触感だけでなく、3Dプリントという製造方法の特性を活かすためのアイデアが隠れています。

高さは55mmと150mmの2種類。表面に設けたストライプが、独特の触感を生み出します。

最初に考えたのは、3Dプリントによって自然に生まれる積層痕と、意図的に設計したストライプを組み合わせることでした。

FDM(熱溶解積層方式)による3Dプリントでは、材料を一層ずつ積み重ねて造形するため、表面には特有の積層痕が生まれます。工業製品において、この積層痕は滑らかな表面を得にくくする要因として、しばしば品質上の欠点とみなされてきました。

一方で、積層痕はこの製造方法に固有の痕跡でもあります。

ものづくりでは通常、求める品質や形状に応じて適切な製造方法を選びます。しかし、ラピッドプロトタイピングとしてFDM方式の3Dプリントを使う場合、その積層痕は表現として活かすものというより、試作上の制約として受け入れられることが少なくありません。

そこでこのプロジェクトでは、その制約を隠すのではなく、意図的なデザインの一部として取り込むことを考えました。

FDM固有の水平方向の積層痕に、設計した垂直方向のストライプを組み合わせることで、製造方法そのものを触感と表面表現の一部として利用しています。

方法はとてもシンプルです。

  • FDM方式によって生まれる水平方向の積層痕
    ※レイヤー高さの設定によって変化

  • 意図的に設計した垂直方向のストライプ
    ※半径0.5〜1.0mm程度、サイズによっては1.0mm以上

この2つの異なる方向のパターンを重ねることで、単なる積層痕でも、単なる装飾的なストライプでもない、独特の表面と触感が生まれます。

今回は、この考え方をボックスに応用しました。

3Dプリントの積層痕を消したり隠したりするのではなく、設計したストライプと組み合わせることで、本来は製造上の制約として扱われていたものを、意図された表情や触感へと転換しています。

一覧に戻る