
日本の伝統的な桐箪笥が持つ機能を、現代の暮らしに合わせて再構成した小型の収納です。
桐は多孔質な構造による軽さに加え、調湿性に優れ、古くから大切なものを保管する収納家具に用いられてきました。桐箪笥が持つ気密性や防虫・防カビといった特性を活かしながら、現代の生活空間に取り入れやすいミニマルなサイズとデザインを考えています。
特徴のひとつは、収納そのものを場所に固定しないことです。底面にはボールキャスターを備え、桐の軽さを活かして室内をスムーズに移動できます。さらに、専用のレザー製キャリーベルトを取り付けることで、必要な場所へ持ち運ぶこともできます。
本棚など一般的な収納家具のモジュールに収まりやすい寸法とし、使用しないときには棚の中に収納できる設計です。内部には2段の引き出しを備え、日常の大切なものをコンパクトに収納できます。

素材には「時代焼き」と呼ばれる加工を施した桐を使用し、牛革とアルミニウムを組み合わせました。伝統的な桐の素材感をモノトーンでまとめることで、桐箪笥の機能性を残しながら、現代のインテリアに馴染む佇まいへと置き換えています。

いわば、必要な場所へ移動しながら使うことのできる、小さな桐箪笥です。
Submitted work to "watote by Tokyu Hands" 2019