
形のつくられ方をルールとして記述することで、ひとつの条件から多数の形態を自動的に生成することができます。
このシリーズでは、デザイナーが個々の形を直接描くのではなく、数学的な条件のもとで形態を生成し、その中から選択する設計プロセスを試みました。形態生成と製造工程を接続することで、デザインにかかる時間を短縮しながら、細部やボリュームが少しずつ異なる製品をつくる、多品種少量生産への応用を考えています。

同じ条件から生成された形は、それぞれ異なる個体差を持ちながらも、共通した特徴を備えています。ひとつひとつが異なりながら、全体として同じ系列に見えることで、製品群として統一されたデザイン言語を持たせることができます。

形態生成には、水面の揺らぎをもとにしたアルゴリズムを用いています。格子状に配置した点群を変化させ、そこから滑らかな曲面へ変換することで、波紋や水の揺らぎを思わせる不規則な凹凸を生成しています。

生成した曲面は、3Dプリントした樹脂型を使って金属板へ転写しました。この方法によって、複雑で滑らかな曲面を実際の金属製品として成形することができます。
さらに、成形前の金属板に鏡面、ヘアラインなど異なる表面仕上げを施すことで、同じような形状でも光の反射や見え方が大きく変化します。アルゴリズムによる形態の違いと、金属の表面仕上げによる違いを重ねることで、多様な表情を持つ製品群をつくり出しています。




デジタル上での形態生成、3Dプリントによる型の製作、金属成形、そして表面仕上げまでをひとつの連続したプロセスとして捉え、同じルールから生まれながら一つひとつ異なる製品を製造する可能性を探ったプロジェクトです。
東京造形大学大学院 デザイン研究領域 修士課程
ZOKEI賞(優秀作品賞)受賞